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三橋庭園はみだしブログ

日本の庭

造園の種類 竹垣・四つ目垣・御簾垣・建仁時垣

竹垣は、目隠しや仕切りの目的に最適です。見た目の姿のよさは他に例をみないのですが、耐久度と高価なのが唯一の難点です。他の塀のつくり方に比べて手間の掛かる方法ですし、材料も高いので、昨今ではかなり贅沢なものになってしまいました。
竹垣のよさは、一言でいえば集積の美です。その種類は多様多種ですが、塀としての役目に適しているものには、建仁寺垣、桂垣、木賊垣、網代垣、御簾垣、大津垣、沼津垣、竹穂垣などです。屋根や笠をつけ、石垣と組み合わせたり、痛まない工夫が必要です。

四つ目垣

簡単なものがもっとも難しい だから味わいもいっそう奥深い
四つ目垣はすべての竹垣の基本となる仕切垣です。唐竹を横に渡した4段の胴縁と、立子が垂直に前後交互に結ばれ、四つ目でできることから呼ばれています。立子は節止めとし、結びは「男結び(いぼ結び)」と「からげ結び」を使います。からげ結びはかがり結びとも呼ばれ、胴縁と立子を横からからげて立子がぐらつかないようにします。四つ目垣は茶庭でもよくつくられますが、単純なだけに職人の感覚と技術に左右され、それを崩した美しさも表現できる奥の深い垣根でもあるのです。

蹲踞の後ろの仕切り垣としてつくられた。四つ目垣よりはむしろ鉄砲垣といったほうがよい。簡素なつくりだ。 立子を2本吹寄せにした仕切り垣。鉄砲垣的な要素の強い作品。太竹を使って立派な竹垣となった。
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御簾垣

別名「簾垣」と呼ばれる御簾垣で庭とアプローチに境界をつくる
文字どおり「簾」が垂れたように仕上がるので別名「すだれ垣」ともいわれています。表現は自由で、組子の竹は隙間が開かないように揃った竹を使い、さらし竹、黒竹、唐竹、ときには割竹などを使います。さらし竹を使うケースが多いのは、材料が扱いやすく、美しく仕上がるからです。反面、風雨に弱く、かびがつきやすいのが欠点です。雨が直接当たらないように笠木をつけたり、地面から少し上げたりなどの工夫が必要になります。また「忍び」を入れたり、何本かおきにクギ止めにしたりすることも長持ちさせるコツです。

同じ垣根も場所に応じてつくり分けている。庭の仕切りのばあいは、下を四つ目にしたほうが狭さを多少は感じさせない。 篠竹を使ったもの。細く曲がりの多い篠竹では、苦労したであろうと思われる仕事ぶりである。
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建仁時垣

四つ割の立子が整然と並ぶ竹垣 玉縁の化粧結びに洒落っ気をみる
京都・建仁時にこの形式の竹垣が多くつくられる、遮蔽垣の代表です。構造は真竹の四つ割りを立子として使い、太竹の半割りを押縁にしていぼ結び、上部には玉縁をかけて化粧結びをするのが一般的な型です。その形式には各種あり、押縁の数やつくる人の感覚によってそれぞれデザインされます。竹垣を表と裏からも見せるようなばあいは立子を両面に使います。また傷みを避け、長持ちを考えるときは、直接地面に立子が接しないよう、差石や無目板を使います。この竹垣のポイントは結びと押縁で太い押縁は竹垣を豪華にします。

石積みの上の塀として設けられた。屋根をのせて、長持ちするように配慮している。結びがあっさりしていてよい。 屋根と立子の線をスッキリさせるために、立子の上部に割り竹をかぶせるなど、作者の工夫がいろいろ見られる竹垣だ。
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竹穂垣

渋さの決め手はいかに細い竹穂を美しくさばくかにある
竹穂垣はモウソウチク、クロチク、ハチクなどの枝を多く使ってつくる竹垣の総称です。そのなかで特色のあるものは、独立した名称を持っています。桂垣、蓑垣、松明垣、大徳寺垣などが、その典型です。竹垣はつくる場所に応じて、つくり手の創意工夫により、少しずつ各垣根の持つ特徴が交叉してきますので、厳密に”○○垣”と分類するのが難しいものも生まれてきます。竹穂垣は単に寄せ集めるだけでなく、節を揃えたり、枝のさばきを統一したり、手間暇かけてつくるもののなかにキッチリとした美しさが表れてきます。

住宅内の仕切りにつくられたもの。気負い込んだ様子がなく、軽やかでよい味が出ている。 裏は健仁寺垣。穂の”あんこ”を差し込み、止めた上に”しのび”をつけ、枝を一本ずつ差し込んでいく。
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金閣寺垣

太い立子と真竹の半割りを押縁とする見透しのきくダイナミックな仕切り垣
金閣寺垣は、京都・鹿苑寺(金閣寺)に設けられているものを本歌とする仕切り垣です。その形は、胴縁を用いず、立子に太めの丸竹を使います。太い真竹の半割りを押縁として使い、立子を両側からはさんでしばり、さらに同じぐらいの太めの半割り竹3枚を使って玉縁をかけます。高さは40cmから90cmぐらいまで自由ですが、高めのばあいは押縁を2段にします。45cmぐらいの高さが、力強くすっきりと仕上がる寸法のようです。低い垣根にしては太い竹を使うので、豪華でダイナミックです。庭を狭くすることなく使える竹垣です。

店舗の前の小庭の仕切りとしてつくられた。差石や竹垣本体の細工、高さなど、ていねいな仕事である。 石垣上の金閣寺垣。ところどころ立子を吹寄せにしてアクセントとしている。
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無量寺(千葉市) 御簾垣工事

御簾垣施工例 御簾垣施工例
施工前の状態
約7年前に当社で施工した御簾垣の交換工事。
今回は、さらに駐車場側に伸ばし、トタン塀を隠す事にした。
つくばい回りの景
御簾垣に使用しているさらし竹が変色し、ヒノキの柱も根元が痛んできている。
御簾垣施工例 御簾垣施工例
施工開始
古くなった竹垣を解体して行く。
手前にある四ッ目垣も後ほど交換する。
竹を一本ずつ入れ込んで行く。左右の高さが違わぬ様に気を使いながら5〜10本おきに釘止めする。
御簾垣施工例 御簾垣施工例
御簾垣施工例
組子(横竹)を入れ終わった状態。
これから押し縁(縦竹)を銅線で締め付けて仕上げて行く。
御簾垣の完成
笠木を取付け、押し縁にシュロ縄で化粧結びをし、保護塗料でコーティングをして完成。
竹垣が新しくなると、庭全体が明るくなったように見える。

御簾垣については別記のとおり、様々な素材を用いますが、こちらの場合は作庭当初と同じ仕様での作り直しの為、下記部材を使い作成しました。

柱 ・・・ヒノキ3寸柱に竹を入れ込む溝を掘ってあります。
     ヒノキは白木で美しく、さらにシロアリなどによる食害に強い特性があります。

笠木・・・柱と同じくヒノキを使用 断面を見ると台形に加工してあります。
      水を嫌うサラシ竹への雨の滴り落ち防止と見栄えを兼ねています。

サラシ竹・・・油抜きをし、曲りを矯正した加工品。クリーム色の美しい竹。

黒竹・・・その名の通り黒色の竹。染め竹ではなく天然の色。ここではアクセントとして用いた。

◎どれも天然素材であるため、製作終了後に防カビ・防腐・防水効果があり、極力風合いを損なわない無色の塗料を塗り、仕上げます。

天然の竹を使用した場合の竹垣の寿命は、日当たりや雨の当たり具合などの環境に左右されますが7年〜10年といわれます。人工のものに比べ短い周期での交換が必要となりますが、天然素材の持つ質感や風合い、時と共に変化して行く表情など、アルミフェンスや人工竹垣では得られないものがあると思います。

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一級造園技能士。日本庭園協会理事、日本庭園研究会理事、日本造園学会会員
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